
シックな色、墨の色
古くから使われてきたインク、墨。墨は中国では紀元前1000年代の殷の時代から使われており、油のススからつくる油煙墨や、松のススからつくる松煙墨などが主に使われています。
日本では僧侶の着る黒い服を「墨染の衣」といいました。
実際には墨で染めたわけではありません。ヌルデという木に生える、虫こぶを使った五倍子というものを使います。虫こぶに含まれるタンニンは鉄に触れると黒く変化します。これを用いて黒い衣は染められました。日本においてはお歯黒としても使われました。西洋におけるインクとして古くから用いられた没食子インクも同じ原理です。
西洋でインクとして使われたものには、イカ墨もあります。いわゆるセピア色はイカ墨の色を指します。古い白黒写真の色が茶色くなり、セピア色に近づくことから、懐かしい、レトロなイメージを持つものとなりました。

(筆、硯、墨。wikimedia commons)
墨色
薄墨色
セピア
現代では書道で「墨汁」が使われることが多いですが、小学校などの教育現場では「書道液」というものが使われることがあります。これは墨を使った墨汁に比べて匂いが少なく、服についても汚れが落ちやすいという利点があります。墨汁はにかわを使っているため光沢があり、独特のねばりが書に味を出すと言われています。
墨を使った筆文字や、墨色を意識したウェアは、プリントの定番です。アトムプリントにぜひご相談ください。




























